岡野あつこが教える離婚回避マニュアル

Case6 夫の告白

もしかしてEDかもと悩んで……

50歳を迎えた弦太郎さんは、もうセックスが出来ないと悩んでいます。
自信をなくし、EDかもと思っても原因を追究する気にもなれないのです。
いまだにラブラブといえる妻のかをりさん(47歳)も、あれこれ考えてくれてるようなのですが…

42歳ころからでしょうか、‘息子‘の硬さがたりなくなったと感じ始めたのは。
その頃から、家内を満足させることが出来ない気がして、セックスを避けるようになりました。
友人に相談したところ、
「かみさんに飽きちゃったんじゃないの?俺もかみさんじゃダメだもん。一度遊びに行ってみろよ」
と、やや無責任とも思えるアドバイスをくれました。

私は、外で遊んで試す気など毛頭ありません。
家内とはずっと愛し合って、誠実な関係を続けていくと決めているので、浮気など考えたこともないのです。
家内以外の女性に反応するはずもないでしょう。
それでも、やっぱりうまくいくとは思えないので、自分から誘うようなことはできません。
家内に誘われることがあっても、
「あした、朝が早いからごめん」
などと言っては、何となく先延ばしにしてきました。
家内は、そのたび、何事もないように静かに受け入れてくれました。
でも、女性の方から誘っておいて、断られるという屈辱を妻に与えていることも、私の大きな負担になっているのです。
ただ、いざとなったら「できない」という最悪の状況が頭にちらついて、うまく対処できないままなのです。記憶では、おそらく45歳ころからセックスしていないと思います。

もう5年もセックスレスかと思うと、情けないですし、何よりも仲のいい私達夫婦には似合わない状態だと思ってます。
「してない」というよりは、明らかに勃起機能が低下しているので、とうていできそうにもないのです。
セックスレス夫婦などいう言葉が、ちまたにささやかれているお蔭で、家内は、自分たちはセックスレス夫婦なのだと、妙に納得しているのです。
しかし、私としては、挿入は出来ないかもしれないが、いつでも家内を愛したいという気持ちはあります。
「一緒に寝よう」
家内と最後にセックスした、いや、しようとした日のこと。
今でもはっきり記憶しています。家内を愛撫し、気分的には盛り上がってくるのに、体の反応が悪く、結局は挿入出来ずに終わってしまいました。
「どうしたの?でも、きっと今日は疲れているのよ!」
愛撫だけで、多少は満足していたからでしょうか。家内は明るく言ってくれました。
しかし、その気遣いがかえって辛く感じられたのも事実です。

それ以来、5年間はセックスレス生活が続き、私はどんどん自信をなくし、仕事に対する意欲までも落ちてきた気がします。
友人と出かけたり、趣味の釣りにも行かなくなってしまいましたし、大好きだったギターまでしまい込んでしまいました。
まるで隠居のような気分の毎日です。

ある日、いつも通りの夕食の時、突然に箸を置いて家内が言いました。
「弦ちゃん、もしかしてEDなんじゃないの?」
「えっ、そんなことはないだろう……」
私は認めたくない事実を突き付けられたような気持でした。
今、思うと、家内にとっても、性生活のない日々が辛かったのでしょう。うすうす想像はしていたものの家内の気持ちを知ってしまったことは、かなり応えました。
自分勝手な言い分ですが、その日は、心の余裕がなく、とても誠実な反応など出来ないまま流してしまったのです。重苦しい一夜を過ごしました。何事もなかったように寝息を立てている家内を見ると、悔しさと情けなさで泣けてきました。

翌日、私は思い切って医師に相談することにしました。
結果、私は生活習慣が原因で、EDを患っていることがわかりました。
どちらかというと、お気楽夫婦で、人生を楽しんで生きていこうという考えの私たちは、食べたいものを食べ、おいしい酒を世界中から取り寄せ、それでも仕事中は座ったきりの私では、生活習慣病や、そこからくる病状は当然だったかもしれません。
しかし、そうなると、食生活の改善などが必要になり、家内と一緒に医療の道を歩むことになります。
家内にうまく伝えられえるかが心配でした。本当に情けないし、単なる治療なら言いやすかったかもしれないのに、その事実の発覚がセックスレス、それも自分のEDとあっては、今までの言いわけも空々しく感じます。
私は重い足取りで帰宅し、やっとの思いで告白しました。
「かをり、今まで本当にごめん。君の言うとおり、やっぱりEDだったよ。もっと早く病院にいくべきだったね」
ある程度予測をしていた家内はあっさりと聞き入れてくれました。
「よかったじゃない、原因がわかって。これからは闘病のつもりでいようね。食事も気をつけて作るからね」
その日は明るく、そして好意的に受け入れてくれたように見えた家内でした。私は家内の気持ちが長年のセックスレスで離れていたとは気づきもしなかったのです。
私が煮え切らない日々を過ごし、自分のことばかり考えてる間に、家内は自分の仕事を始めていました。在宅で始めていたので、私は全く気がつきませんでした。

家内の様子に目がいくようになって、昼間の数時間を得意の語学を生かして、翻訳の仕事に勤しんでる家内は、私などに比べると、輝いて見える存在になっていました。
いつの間にか、仕事のために外出もするようになっていましたし、私の知っている家内ではなくなっていました。
「1人になって生きていかれるようにしなくちゃね」
家内が言った一言です。家内は、もしかしたら私が生活の改善をしないとEDどころか生活習慣病で命を落とすかもしれないということを、ふざけ半分にちくりと言ったのかもしれません。でも、私には離婚しても1人で生きていける準備をしているとも聞きとれたのです。
私はEDという病気でした。でも、それにきちんと目を向けなかったために、今、夫婦の縁が切れそうになってきているように感じます。


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